暑いからだけで済ましてはいけない!布団をはぐ根本原因と対策
寝ているときに無意識に布団をはいでしまうことがあります。特に赤ちゃんはそうです。その理由はなぜでしょうか。
答えは...そうです「暑いから」です。
そこで、「布団を変えましょう」ということで、薄手の合掛け、肌掛け布団、毛布やケット類など、掛け布団を変えます。ところが、それても布団をはいでしまうことがあります。「暑がりの体質なのだろう」とあきらめてしまう人もいます。
寝ている間に布団をはいでしまう原因は「暑いから」ですが、それが根本的な原因ではありません。
根本的な原因を知らず、何も対策せずにしてしまうと、風邪をひいたり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。布団をはがないように対策をしていきましょう。
このコラムでは、布団をはいでしまう根本原因を探ってみたいと思います。
布団をはぐ季節は?
暑さで掛布団をはぐのが多い時期は、真夏の暑い日と思いがちですが、春や秋は気温の変化が定まらないため、寒いかなと思っても案外暑くて布団をはぎやすいです。
暑いから布団をはぐという理由がわかりやすい季節ですね。
では寒い冬はどうでしょうか。
「寒いのに布団を掛けていない」「毛布が足元にある」「身体が布団や毛布から出ていて寒くて目が覚める」
こようなことに思い当たる方は多いのではないでしょうか。
「暑いからはぐ」ということは、冬にも起こります。冬は寝室が冷えていて、寒いのにもかかわらず、なぜ布団をはぐのでしょう?
その答えが、どうやら布団をはぐ根本的な原因となっています。
布団をはぐ根本原因は「蒸れ」
布団をはぐ根本的な原因は、「蒸れ」です。
寝ているときに汗をかきますが、汗によって蒸れが起こり不快で布団をはぎます。
汗をかく → 蒸れる → 不快 → 布団をはぐ
このような流れで季節を問わず布団をはぎ、睡眠の質の低下につながります。
夏に涼しい部屋・冷え冷えの寝具で寝ていても、敷布団からはみ出て寝ていたり、クーラーをつけていても暑さで目が覚めたりしていませんか?
冬は暖かく眠るための毛布や布団から手や足が出ていたり、ベッドから布団や毛布が落ちたりして、冷えや寒さで夜中に目が覚めていませんか?
これらの原因は、すべて布団の中が蒸れることで、不快と感じ、知らずしらずに不快から逃れようとして起こる現象です。
布団の中の蒸れをそのままにしていると、不必要な寝返りが増え、安静に寝ていないときよりも身体があまり休まっていない可能性があります。
良い睡眠に少しでも近づけられるように、布団の中が蒸れないための対策をご説明いたします。
なぜ蒸れるのか?布団をはがないための対策
蒸れを取り除くには、布団などの寝具と、寝ている間に着ている寝間着の素材が重要となります。
寝ているときの汗などの湿気を、程よく吸収し排出してくれる素材の寝具や寝間着を選ぶことで、蒸れを防いでくれます。
では、どのような素材の布団を選べば良いのか、布団の種類ごとにご説明いたします。
当店がおすすめする蒸れにくい布団
掛け布団(合掛け布団、冬掛け布団)
おすすめNO.1 綿100%掛け布団(生地や中綿はもちろん綿100%)
比較的暖かな部屋でお休みの方、汗かきや暑がりの方は、綿布団がおすすめです。
綿は吸水性が良い素材ですので、寝ているときの湿気を程よくとってくれます。
ただし、発散性が乏しいため湿気をため込む素材ですので、乾燥させることが重要です。定期的に布団を干すか、乾燥機をかけていただく必要があります。
植物の素材ですので、肌にも環境にも優しく、羽毛よりも安価で、お求めやすいです。
綿布団は仕立て直し(打ち直し)もできます。掛けから掛けへの仕立て直しは2回程度できるため、長くご愛用頂けます。綿布団は、その後の仕立て直しで、敷布団や座布団などの、他の布団にリメイクできる楽しさもあります。
おすすめNO.2 羽毛掛け布団(生地はもちろん綿100%)
寒がりの方は羽毛掛け布団がおすすめで。ただし、羽毛掛け布団は綿100%でも蒸れやすいので、純毛の毛布と一緒に使うのが重要です。
アレルギーの方や清潔好きの方、暑がりや汗かきの方には防塵性と放出性に優れたゴアテックス生地(綿100%)の羽毛布団がおすすめです。
PM2.5やバクテリヤさえも通さない気密性の高い生地ですので、ダニやホコリなどが布団の中に入り込みません。
そのため、中の羽毛が汚れにくいため、手入れが楽になります。クリーニングの回数を減らすことができるので、でお財布にも優しいです。
また、気密性の高い素材ですが、放出性に優れており、1日で500mlのペットボトル132本分の水蒸気を放出できると言われていることもあり、蒸れにくいです。通気性の良さが寒さに感じる可能性もあるため、寒がりの方は純毛の毛布と一緒に使うことをおすすめします。
近年では動物愛護の観点から、ヨーロッパなどの質の良い羽毛は供給量が減っています。今後、粗悪品が増えたり、高価で手が出しにくくなったりすると思います。
羽毛布団は2回程度リフォームできますので、上質な羽毛布団をお選びいただき、長く愛用していただきたいと思います。
毛布/肌掛け布団
おすすめNO.1 ウール100%の毛布や肌掛け布団(生地はもちろん天然素材100%)
ウールは動物の毛です。人間も動物ですので全身に毛があります。
毛の役割は頭や身体を保護するためですが、保温性と湿気を放出する役割も含まれています。
100%素材の寝具は、寝ているときの湿気を吸収し放出してくれるので、蒸れによる不快さが抑えられ、ぐっすりとお休みいただけます。
ウールは天然のエアコンとも呼ばれており、夏は涼しく冬は暖かいので1年中お使いいただけるおすすめの素材です。
おすすめNO.2 綿100%毛布
掛け布団でも説明した通り、綿100%素材は吸水性が良い素材ですので、湿気をとってくれます。
また、植物の素材ですので肌にも環境にも優しく、価格もお求めやすいです。
綿毛布は手軽に洗濯機で洗濯できるのも良い点です。
夏掛けとしてもお使いいただけますので、1年中重宝します。
敷布団
おすすめNO.1 ウール100%敷布団(生地は綿やウールの天然素材100%)
毛布・肌掛け布団でも説明しましたが、ウールは寝ているときの湿気を吸収し放出してくれるので、蒸れによる不快さが抑えられる素晴らしい素材です。
湿気がこもりにくいため、天日干しの回数も減らせます。
また、重量も綿布団よりは軽いため、毎日の布団の上げ下ろしや干すことが楽な布団です。
難点は、仕立て直しができない事です。お使いいただく方の体重や汗の量によって異なりますが、3年~10年で交換することになります。
おすすめNO.2 綿100%敷布団(生地は綿100%のもの)
掛け布団でも説明した通り、綿100%素材は吸水性が良い素材ですので、湿気をとってくれます。
また、植物の素材ですので肌にも環境にも優しく、お求めやすい価格です。
仕立て直しも3回程度できますので、長く愛用いただけます。
難点は、湿気をため込む素材ですので、乾燥させることが重要です。定期的に布団を干すか、乾燥機をかけていただく必要があります。
また、綿布団は他の布団と比べて重くなりやすいです。当店では通常シングルサイズで約6kgも綿を入れますので、布団の上げ下ろしや干すときは筋力がいります。
ただ、綿布団はすべてオーダーメイドなので、中に入れる綿の重量を軽く抑えることができ、お客様の生活スタイルによってオーダーいただけます。
敷きパッド
上記のような蒸れにくい敷布団をお使いでしたら、敷きパッドはオールシーズン必要ありません。
次のおすすめ敷きパッドは、マットレスをお使いの方や冬の寒さに耐えられない方に向けてのおすすめです。
おすすめNO.1 ウール100%敷きパッド(生地は綿100%やウール100%などの天然素材)
毛布・肌掛け布団でも説明した通り、ウールは寝ているときの湿気を吸収し放出してくれるので、蒸れによる不快さが抑えられる素晴らしい素材です。
ウールは天然のエアコンとも呼ばれており、夏は涼しく冬は暖かいので1年中お使いいただけます。
布団カバー
おすすめNO.1 天然素材100%生地
布団カバーは必ず天然素材100%生地を選びましょう。
価格も手ごろで、手入も楽な綿100%生地がおすすめです。
寝間着(パジャマ)
おすすめNO.1 綿100%薄手の生地
綿は吸水性が良い素材ですので、寝ているときの湿気を程よくとってくれます。
静電気も起こりにくく、肌に優しい素材ですので、寝間着は綿100%がおすすめです。
ただし、綿100%素材でもNGがあります。それは厚手の生地です。
スエットなどの厚手の生地は、寝返りができにくいため、眠りの妨げになります。寝間着は薄い生地を選びましょう。
肌着を着用する際は肌着も綿100%をご利用ください。
寝具・寝間着のNGな素材
ポリエステルなどの化学繊維が少しでも混じっているような寝具や寝間着はおすすめいたしません。
化学繊維は、「汗をかいても乾きやすいので寝具や寝間着に最適な素材だ」と思われがちですが、それは起きて活動しているときのことで、寝ている間には当てはまりません。
化学繊維の衣類を着用していても、身体が動いていたら、それなりに湿気が外に出ていきやすいものです。
布団は厚手ですから湿気が逃げにくくなりますし、就寝時は寝具と身体が密着するので、湿気の逃げ場がなくなり、布団の中が蒸れやすくなります。その結果、布団をはいでしまうのです。
最近では、暖かな部屋で寝ても「寒くて目が覚める」というご相談が増えました。
そのようなご相談をされる方は、掛け布団や敷布団、敷きパッド、布団カバー、寝間着といった寝ている間に身体と接するものは、すべて化学繊維の物をお使いの方ばっかりです。
冬場に身体や足の指先が冷えやすい方は、布団カバーや敷きパッド、寝間着にフリース素材やモコモコした素材のものを使いがちです。また、寝間着にヒート機能を持った肌着を着けて寝られる方もいます。
その場合には、汗による湿気が布団の中にこもってしまって、湿気が水滴となりやすく、その湿気によって逆に体を冷やしてしまう場合があります。
夏場であっても、クール素材の敷きパッドや肌着で寝ていらっしゃる方は、無意識に蒸れを暑さと感じて、布団をはいでしまいます。
~ まとめ ~
布団をはぐ原因は、寝ている間に身体が暑さを感じたためですが、その根本原因は布団の中の「蒸れ」です。
蒸れることにより、暑さや寒さを感じ睡眠の低下を招きますので、蒸れにくい素材の寝具・寝間着で寝ることが大切になります。
おすすめの蒸れにくい寝具や寝間着は、詳細はそれぞれ異なりますが、天然素材100%の物となります。
化学繊維の素材は蒸れを引き起こすので睡眠時の使用は、できるだけ避けた方が良いです。
住宅環境やその人の体質によって、はぎにくい布団は異なりますので、状況に合わせて布団を選択することが大切です。
当店は店舗に来ることができない遠方のお客様にも丁寧なカウンセリングをしてアドバイスをしております。お気軽にご相談ください。