綿布団の中に黒い斑点。虫?ダニ?カビ?
ある日、お客様からご相談
奈良県にお住まいの以前からからネットでご注文をいただいているお客様より、綿布団について教えてもらいたいと当店まで電話がありました。
その方が使われている当店が販売した綿布団は、カバーリングで中布団がクリーム色の生地の綿布団でした。経年でワタがへたってきたころ、布団カバーを取り外したら、布団の生地の中にあるものを発見しました。
布団の中に黒い点が
お電話でのご相談内容では、綿布団の生地の中に、黒コショウのような小さな黒い斑点がうっすら透けて見えるとのこと。その黒い斑点は、虫なのか、ダニなのか、カビなのかご心配になられていました。
じっと見ていても動きはないので、虫なのかどうかわかりませんし、カビだとしても生地には影響ないのでおかしいです。
中身の黒い点があまりにも気になるので、当店までお電話をいただく前に、布団の端の生地をハサミで少し切り取り、中身の黒い斑点を取り出したとのことでした。そして、黒いゴマ粒ほどの大きさの黒いものを手に取られたのですが、結局判らずじまいで、当店にお電話をいただきました。
黒い斑点の正体は?
実は、この黒い斑点は、綿の実・葉・茎の殻です。綿ワタは天然素材ですので、どうしても繊維の中にそれらの殻が入ってしまいます。
これは、ゴミといえばゴミなのですが、粒が小さいので寝た感じチクチク感もなく天然素材なので体に害はありません。
綿ワタにもともと虫がいるのでは?
「もともと綿の中に虫や虫の卵が入っていた」とお考えの方もいることでしょう。でもご安心ください。綿はふっくら感を出すために熱処理をしているので、虫や虫の卵があるとしたら死滅します。そのため新しいワタの中で虫が発生し繁殖することはありあません。
布団のワタの中に虫が入り込む可能性についてですが、生地とカバーで守られているため、目に見える虫は侵入しにくいです。
もしかしたらダニ?カビ?
このお客様の場合、無地のクリーム色の生地で綿ワタであったことから、黒い点の正体が葉などの殻であったことが分かりますが、明らかに黒い点が生地に付いていたり、化学繊維の布団だった場合はどうでしょうか。
一般的に家にいるダニ「チリダニ」は、0.2~0.4㎜の乳白色のため、基本的には肉眼で見ることは難しいですので、黒い点があればカビの可能性が高いです。
生地に1~2mmぐらいの大きさの黒い斑点や、薄いグレー色で数センチの円形の汚れや、うっすらとグレー色で汚れているのでしたら、カビです。
カビが発生する箇所は、床との接地面が多い敷布団の裏面中央が多いです。
掛け布団でも湿気の多い押し入れや、圧縮袋に入れっぱなしで気づかないうちに、カビが付いていることもあります。
布団にカビが!どうする?
布団にカビを発見したらすぐに、布団を処分するかクリーニングに出してください。
クリーニングに出すと、菌は死滅しますが、生地に付いたカビの汚れは取れにくく、色が残りやすいです。気になる方は処分することをおすすめいたします。
布団が傷みますので、間違ってもコインランドリーで洗濯することだけはおやめください。
カビが体に入り込むと影響がありますので、見つけたら素早く行動することが大切です。
布団にカビがつかないためにすることは?
毎日使う布団の場合
布団を敷きっぱなしにせず、毎日たたむことが重要です。
「たたむのが面倒」「ベッドだからたたんで片付けつけることができない」などの方は、掛け布団を掛けたまま、敷布団を半分にたたんでください(めくり上げてください)。
湿気が溜りやすい敷布団の裏を毎日乾かすことで、カビの予防になります。
押し入れの布団の場合
押し入れに湿気がこもらないように気を付けてください。除湿剤を活用する、押し入れの扉を少し開け、風を通すなどの対策が有効です。
普段使わない布団は、湿気がこもりにくい上段に布団を入れてください。下段に入れる場合は、スノコなどを活用し、風通しがよくなるように対策してください。
圧縮袋は使わないのが賢明です。湿気を含んで圧縮してしまい、気づかないままカビが発生している方が多いです。
どうしても使用する場合は、布団をよく乾燥させ、熱を取り、湿度の低い日に圧縮してください。袋の中に湿気が溜っていないか日頃のチェックも忘れずに。