毛布は羽毛布団の上下どっち?ふとん屋の見解
毎年のように、「毛布は羽毛布団の上か下か問題」がニュースサイトやTVで取り上げられております。その答えはそれぞれの情報先によって上だったり下だったり異なっており、結局視聴者はどっちか分からななくなっている様です。
この間、当店にご来店くださった年配女性のお客様が、「お友達と話しをしていて、毛布は羽毛布団の上か下で言い合いになって、結局どっちなのか決着がつかなかったのだけど、結局どっちなの?」とご質問をいただきました。
布団屋でも、この情報を見聞きした時には「結局どっちなのだ?」とツッコミを入れたくなるくらいですから、この議論に巻き込まれた方は、さぞかしヤキモキしていることと思います。
結局、毛布は羽毛布団の上下どっち?
この上か下か問題の布団屋からの答えは、、、
「どっちでもいい!」
「好きな眠り方で寝よう!」
布団の使い方に正解も間違いもありません。
- 掛け布団を敷いて使ってもいい。
- 敷布団を掛けてもいい。
- 布団カバーを肌掛け布団として使ってもいい。
- 座布団を枕として使ってもいい。
その使い方が、「気持ちがいいな」と思ったらそれが正解の使い方なのです。毛布を羽毛布団の下にしようが上にしようが、自分で決めればいいのです。
布団の使い方にお作法があると思いますが、寝ている姿は誰かに見られているものではありませんので、好きな使い方で良いと考えます。
それはなぜか、、、
毛布を羽毛布団の上に掛けたり、下にしたりする、それぞれのメリットとデメリットが異なるからです。
毛布を上下にする、それぞれのメリットとデメリット
毛布を羽毛布団の上にした時、下にした時、それぞれの主なメリットとデメリットを見てみましょう。
上にするメリット
- 布団の中の暖かい空気が逃げるのを防止してくれる
- 布団のズレ防止になる
上にするデメリット
- 肩が寒い
- 重たい毛布だと、その重みで羽毛布団が潰れる
下にするメリット
- 肩が暖かい
- 毛布が身体にフィットし、布団に隙間ができにくいので、暖かい
下にするデメリット
- 毛布の素材によっては、布団の中が蒸れやすい
- 布団の中で動きにくい(寝返りがしにくい)
その他の意見をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、いかがでしょうか?
上でも下でもメリット・デメリットがあると分かると、みんな意見が分かれて当然で、自分の好みで決めていい事がわかると思います。
寒がりさんもいれば、汗かきさんもいる。
寒い日もあれば、暖かい日もある。
毎日同じではなく、その日の体調や気温で毛布を上にするのか下にするのか、変えていってもいいと思います。
毛布を羽毛布団の上に掛けるデメリット
ただし、注目する点が一つあります。メリット・デメリットの中で、唯一人が感じるものではない事柄です。
それは羽毛布団の上に掛けるデメリットの、「羽毛布団が潰れる」です。
羽毛布団が毛布の重みで潰れると、羽毛布団の暖かさを損ないます。布団屋としては、皆様にぜひ知っておいていただきたい重要なことになります。
毛布は上でも下でも好きなように使って良いと言ってきました。
しかし、毛布を羽毛布団の上に掛けて使う事に関しては、布団屋として「羽毛布団の上に毛布を乗せるのはもったいないかもしれません」と、アドバイスいたします。
羽毛布団が温かさを保つ理由
羽毛布団は、ダウンの間の空気が重要となり、空気を含む量が多ければ多いほど暖かさを保ってくれます。高級な羽毛布団であればあるほど、ダウンがふんわりしていて、空気層が多くなり、湿気を放出して温かさが保たれます。
羽毛布団の特性を踏まえ、羽毛布団の上に毛布を掛けるとどうなるか想像してみて下さい。
羽毛布団の上に毛布を掛けると、羽毛が毛布に押しつぶされ、「中の空気が減ってしまう=暖かさが減ってしまう」ことになります。
羽毛布団の上に何かを掛けたい場合は?
では、「羽毛の上に毛布をかけると、『布団の中の暖かい空気が逃げにくい』というメリットはどうなる?」と疑問が出ますが、高品質の羽毛布団であれば、掛けカバー(綿100%)をつけるだけで、十分保温力が保てるので、羽毛布団の上に毛布は掛けなくて良いです。
どうしても羽毛布団の上に毛布を掛けたい場合は、羽毛を圧迫しにくい「軽い物」を掛けましょう。重量のある毛布ではなく、軽めのベッドスプレッド・ベッドカバー・マルチカバーなどがおすすめです。
寒がり・冷え性の布団屋がオススメする毛布と毛布の使い方
寒がり・冷え性の方にオススメの毛布は天然素材100%の素材でできた毛布です。
綿・ウール・シルク・カシミヤなどがございます。
おすすめは湿気の吸水性・放出性に優れ、お値段も手頃なウールです。
当店で販売しておりますウールケット/ゾマースペシャル(ビラベック)は、肌布団のような仕立てなので、保温力あり、肌触りが良く、夏は肌掛けとして使えますので、とても重宝します。
ゾマースペシャルはこちらをご覧ください。
寒がり・冷え性の方の毛布の使い方は、羽毛布団の下です。その場合の毛布は、もちろん天然素材の軽いものがおすすめです。
肩周りから入る冷たい空気を遮断でき、羽毛布団と体の隙間を埋めてくれるので、暖かさが保たれます。
冬の寒さに悩んでおられる方は、ぜひ試してみて下さい。
「毛布は羽毛布団の上か下かどっち?」まとめ
羽毛布団と一緒に毛布を使うときは、上でも下でも好きなように使って大丈夫です。誰かに、「毛布はどっち?」と聞かれたら、「どちらでも好きな方を選べば良いと、布団屋が言っていた」とお答えください。
ただし、重い毛布を羽毛布団の上に掛けるのは、羽毛布団の空気が減ってしまうのでオススメしません。
人の意見に左右されず、自分が気持ち良いと思った寝方が安眠のコツですので、色々と試してみてはいかがでしょう。
季節によって使い方を変えるのもいいかもしれませんね。
天然素材の軽い毛布や、高品質の羽毛布団をお求めであれば、当店にご相談ください。